鶴田至弘議員の諸議案にたいする討論

 日本共産党県議団を代表して議案第一三三号、一五一号に対し、また委員長報告に於いて議請第一九号、二〇号を不採択とされたことに対して、反対の立場から討論をいたします。

 議案第一三三号は和歌山県使用料及び手数料条例の一部を改正する案件ですが、その主な内容は県立高等学校の授業料および入学金の引き上げ、和歌山県立医科大学の研究生にかかわる授業料、並びに和歌山県立高等看護学院、及び和歌山県立なぎ看護学校授業料の引き上げであります。これらは三年に一度恒例のごとく引き上げられているところでありますが、ご承知のとおりこの深刻な不況の下、県民はきわめて厳しい状況におかれています。学生、研究生そしてその家庭もまた例外ではありません。かかるときこのような入学金、授業料の引き上げは認めるわけにはまいりません。

 議案第一五一号は平成十三年度建設事業施行に伴う市町村負担金についてでありますが、私どもは従来より、市町村の財政事情の厳しいおりから県工事にかかわる市町村への負担金は廃止すべきだと主張してまいりました。この種の負担金は近畿各府県の状況をみても廃止の方向で進んでいます。今回提案されている災害関連緊急急傾斜地崩壊対策には五%の負担金がかけられていますが、この五%というのは一九六九年、三十二年前に定められたまま改善されるにいたっていないものでありこの際廃止するべきだと考えます。災害緊急砂防事業は災害復旧に県単独事業としてあたるという積極性は評価しつつも、災害復旧事業という性格から考えても二〇%の負担金を課すというのは妥当とは思えません。以上のような理由で本議案には反対いたします。

 なおこの際議案第一四七号、一四八号、一五〇号について一言申し添えておきたいと思います。これら諸議案はいずれも職員の期末手当の削減を主な内容とするものであります。現下の不況下の県民の生活や、県財政の実情からやむをえないと考えますが、労働の対価としての賃金がカットされることは残念なことであります。当局は削減で得た財源を有効に県民に還元されることを求めておきたいと思います。

 つづいて議請第一九号「雇用確保に関する意見書の提出について」が不採択との報告でありましたが請願の趣旨にもあるとおり、大企業における大規模なリストラの強行と、不良債権の早期処理がもたらす中小零細企業の倒産によって、さらなる大量失業が生み出されることは必至です。失業者の雇用対策とともに失業者を出さない対策が切に求められます。そのために野放し状態になっている大企業のリストラ、人員削減の規制と労働時間の短縮による仕事の分かち合いなど雇用を守るルールづくりが必要です。時間外勤務とサービス残業をなくすだけでも二百万の雇用が可能とされています。雇用を守ることは企業の責任ではありますが個々の企業の努力には限界があります。そのためにはどうしても法整備が必要だと思われますので、議請第一九号は是非採択頂き然るべき意見書を提出されたいと考えるところであります。したがって不採択には反対いたします。

 議請第二〇号は「和歌山県農業を守るためのセーフガードの本格発動と品目拡大を求める意見書の提出について」であります。委員長報告は不採択でした。セーフガードの発動については昨年十二月議会で意見書が採択されましたが本請願も同趣旨であり、しかも県内の重要農産物である梅や玉葱、さらにオレンジなどについて早急に政府調査をした上でその発動を求めるもので県民要求に合致したものであります。

 十一月八日にねぎ、生しいたけ、いぐさの三品目についての暫定セーフガードが期限切れとなり、いま政府内部でも本格発動をするかどうかをめぐって議論されているところであります。暫定措置が切れたあと、それまでの三年間の平均と比べてねぎは三倍、いぐさで二倍、生しいたけで一割の輸入急増となっています。いまJAグループも街頭宣伝などで本格発動を急げと運動を展開しています。

 このようなおり本請願を採択しセーフガードの発動をもとめる意見書をあげることは和歌山県のみならず日本の農業と農山村を守るうえで必要なことだと信じます。以上のような理由で議請第二〇号の不採択には反対であります。以上です。